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アメリカの大学キャンパスから解く真の働き方。街全体がチョイスになる。TCP mitsu

Tokyo Creators’ Project共同創始者の松浦光宏です。
昨日から始まったこのアドベントカレンダーイベント。様々な業界の方々から「ニューノーマルな働き方」をテーマに自由に語ってもらう本企画ですが、私もこの1年でふと思ったことを自由に書いていきたいと思います。

ずばりテーマは「アメリカの大学のキャンパスっていいよね!」です。

コロナ禍によって「リモートワーク」という言葉が多用されることになったが、それ以前でも大勢の人たち、特に海外ではリモートワークは当たり前だったと思う。自分もGenslerやWeWorkに務めていた頃から、海外とのコールミーティングなども頻繁にあり、離れていても一緒に仕事はできるし、リモートワークは普通な感覚だった。リモートワークとは、本社、サテライト、シェアオフィス、コワーキングスペース、カフェ、自宅など一つの場所に囚われない柔軟な働き方を指していると思う。

しかし、日本のオフィスワーカー達は未だにリモートワークができていない、慣れていない、又はそれができる環境が与えられていないのではないだろうか。

そして、ふと自分の大学生時代のことを思い出すと、ニューノーマルな働き方についてヒントがあることに気付く。例えば授業によって行く建物やキャンパスも違い、空いた時間に図書館やカフェで勉強し、サークル等でコミュニティ活動し、家でレポートを書き、バイトに行ったりなど、一日の中でもたくさんの場所を行き来していた。それが就職した途端にオフィスという箱に一日中詰め込まれてしまうことに疑問を感じていたからこそ、大学生時代のことをテーマに語っていきます!

Setting and Purpose

様々な場所にそれぞれの目的をもって行く

カーネギーメロン大学 (Carnegie Mellon University) では、建築学生だけに自分たちのスタジオが与えられ、そこでスケッチや図面、模型、CGなどの制作や課題に日々仲間たちと取り込む。スタジオという拠点から色々な活動場所に移動していた。授業の場所はキャンパス内でもバラバラで、移動が大変だったが、それぞれの建物には独特の色や分野があって、その活動を見ることがとても楽しかった。Robotics専攻のメカやロボット、Theater専攻の演劇や歌を練習する風景、Visual Artの奇抜なアート作品などが自由に見れた。一つの場所に籠るのではなく、色々な場所をめぐる楽しさがあった。そこには新たな発見もあるはず。空いた時間があれば、目的に合わせて作業場所を変えていた。

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静かにリサーチ→図書館に行く
資料が足りない→他の大学の図書館に行く
スナックを食べながら勉強したい→カフェで過ごす(カフェも豊富)
いい天気→キャンパスの芝生でラップトップを片手に作業
デッサンの練習をしたい→美術館の彫刻を描く
気分転換したい→地下のビリヤードと卓球、ジムでラクロスをする
大工をしたい→woodshop スタジオに行く
教授に相談→教授のアトリエへ訪問

また、実践的な学びができる環境があるのも良かった。例えば舞台照明の授業では、実際のシアター専攻のステージ上でハンズオン授業が毎週受けれたり、キャンパス内の建物のファサード(外観)を夜に照らすイベントをしたり。スケッチの授業では、キャンパス風景や建物、カーネギーメロンのあるピッツバーグ市のあらゆる場所や美術館で絵を描かせてもらった。キャンパスや街中が学びの場になっているアメリカの学びの環境ってとてもいい。

こういった選択肢があり柔軟に働けるオフィスキャンパスのようなセッティングが用意されていると、目的に対して仕事をする場所を選択することに慣れない日本人にとっても、働く環境は少しは開放的で良くなる気がするし、建築に携わる者として、柔軟な働き方を支える場所をこれからも作っていきたい。

Otaku Community

濃厚なコミュニティ

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前述では場所と目的について話した。そこに人が合わさることでコミュニティが形成されていく思う。アメリカの大学では、キャンパスを歩くだけで、あらゆるコミュニティに遭遇する。演劇やダンスするグループ、ロボットマニア、Computer Scienceのエンジニア、LGBTを自由に表現する学生、アメフト選手、アニメオタク、Chinese Associationなど国籍ごとのコミュニティがたくさんあった。もちろんそれぞれには活動する場所が提供されていたし、キャンパスは学生に常にオープンだった。

建築学生は周りから24/7コミュニティと呼ばれていた。24/7の意味は、24時間・7週間営業で建築課題をやって、他のコミュニティ活動に参加しないというニュアンスで付けられたネーミング。建築専攻内でもコミュニティを更に細分化することができる。変数の値を使って設計するパラメトリックデザイン好きな者、手描きスケッチにこだわる者、環境に考慮したサステイナブルデザインを学ぶ者、ビジネス思考や心理学を取り込もうとする者、など異なる興味で集まっている。そこでは各々の意見を日々交換し、学び、刺激しあうことができた。

リモートワークが推進される昨今でも、離れた場所でも仕事ができるからいいや、ではなく、実際に会ってコミュニケーションが取れる機会や場の必要性を忘れてはいけない。リモートワークが普及している今だからこそ、従来のオフィスの殻から破り、少しニッチだったりマニアックなコミュニティに参加してもいいんじゃないだろうか。それには企業は垣根を越えて都市に参加し、キャンパスのようにオフィスワーカーにとって開かれた存在になってくれればいい。

Building and City

ビルと都市

日本のオフィスビルはビル自体の効率性、収益性、遵法性を主軸に設計され、なかなか街全体のことやどう建築が都市に参加するのか、といったことは考えられていないと思う。1958年にニューヨークに建設されたシーグラム・ビルディングは敷地手前に大きなプラザを作ることで、都市や人々が集えるコミュニティの場を提供している。一見なんの変哲もない広場だが、水面を設け、その周りに絶妙な段差と隙間を設けることで、忙しいニューヨーカーたちが好んで座り交流する場所となった。
この現象を調査した「Social Life of Small Urban Spaces」という映像がある。映像の中では、人々のタイプ、行動、マッピング、時間、気温などを分析し、パターンを見つけ出していてとても面白い。お時間がある方はぜひ見てほしい。

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オフィス単体だけでなく、都市に、そしてコミュニティに参加するオフィスビルの集まる日本の街の姿を見てみたい。

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Mitsuhiro Matsuura

経歴
Carnegie Mellon University
東京工業大学大学院
手塚建築研究所
アトリエ・ワン
Gensler
WeWork / Powered by We を経て独立
一級建築士 / LEED AP

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