他社と市場に負けないオフィスづくりには、3つのKPIを押さえ、仮説構築すること!
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他社と市場に負けないオフィスづくりには、3つのKPIを押さえ、仮説構築すること!

Tokyo Creators’ Project ワークプレイスストラテジストのyuiです。
このシリーズでは、TCPが開発している”wit”というレポーティングプロダクトについて、ご紹介しようと思います。

wit = workplace insight & tomorrow

企業が既存に持っているデータを活用し、
その企業の働く環境や働き方の実態を可視化する分析レポート。

分析のスタンダード化やRPAを駆使し、
・短納期 (発注から10営業日以内に納品)
・低価格 (1拠点あたりのレポート価格50万円 (税別)) を実現。

また、既存データを活用することで、
・調査期間や費用が発生せず、気軽に試すことができる。

世界中のワークプレイスコンサルティング業界において、ぶっちぎりの短納期、低価格、高品質を実現したレポーティングサービスだと自負している一押しプロダクトです。

このnoteでは、witには実際どんな内容が書かれているの?どんなことがわかるの?それが何に役に立つの?と言ったような疑問に答える記事をいくつか共有していきたいと思います。

これまで5回にわたり、witで提供するオフィスの分析がどのような洞察に役に立つか、ということをご説明してきました。バックナンバーは本記事の最後に!

本日は、そのような分析を通してどのようにオフィスを改善できるか、を考えるために必要となる仮設構築についてお話します。

witでは、空間分析・出社率分析・ロケーション分析の3つの分析と、分析結果を元にしたオフィス改善のご提案をコストとスペースプログラムの2つのシミュレーションによって提供します。

※スペースプログラム: オフィスに入る各要素の面積や数量が一覧となった要件書

仮説検証に必要となる3つのKPI

皆さんは、オフィスの計画を立てる際、どのような指標を用いて、その計画を判断していますか?

オフィスコストの概算を理解する際に、下記のような費用を積み上げることで全体予算を出していくことができます。

・オフィスの面積:従業員1人あたりX坪
・オフィスの賃料:坪あたりX円
・構築費:坪あたりX円

こちらについては、第三回目記事「自社オフィスのコストを評価することで、オフィスの目的と差別化が説明しやすくなる!」でも取り上げていますし、下記URLで相場を理解することもできます。

しかし、上記のXにあたる値は、市場相場であり、平均的な数値のため、戦略的意志のある数値とは言えません。つまり「周りがそうだから失敗はしないはずだ」という判断の元、決定される予算となるでしょう。

witでは、ユニットコスト(単価)を意識しながら仮説を構築します。ユニットコストで判断することで、どのようなオフィスを作りたいのか、また、作りたいオフィスに対してどこを努力するべきか、ということが理解しやすくなります。

witでは、下記3つのKPIをコスト検証に役立てています。

①在籍従業員一人当たりコスト:そのオフィスに在籍している従業員1人あたりの月額費用
②1席あたりコスト(フル稼働時):執務可能な席が100%稼働した場合の1席の月額費用
③1席あたりコスト(実稼働時):執務可能な席が実稼働分しか稼働しなかった場合の1席の月額費用

①従業員一人当たりコスト

まず狙いを定めたい数値として、従業員一人当たりにいくらかけるのか、というコスト指標があります。

例えば、現在のオフィスが、一人当たり月額15万円かかっているとしましょう。この数字を見たときに、例えば、下記のような選択肢を考えることができます。

(A)現状維持案:今後も同程度の費用をかけて、オフィスを構築・運営することで、従業員に働きやすい環境を提供する。

(B)費用配分案:リモートワークやデジタル化など新しい働き方を取り入れるため、月額15万円のうち、5万円は新しい働き方への投資に、10万円はオフィスの構築・運営にかける。

(C)シェアオフィス採用案:シェアオフィスの数フロアを借り切った方がコスト安であり、シェアオフィスに不足している機能も見受けられないため、自社での構築・運営はやめ、シェアオフィスの利用に舵を切る。

(D)機能集中案:自社オフィスの目的や機能をぎゅっと絞り、面積削減や賃料削減をすることで、従業員一人当たりコストを安価にする。代わりに、失われた機能については、在宅勤務やシェアオフィスで、自社オフィスより安価に補填する。

(E)投資増加案:自社オフィスの重要性や生産性の高さに着目し、現在よりも高い費用で自社オフィスの構築・運営を目指す。自社オフィスを組織活動の要として、事業戦略の中心に据える。

いずれも間違った選択肢ではないし、これ以外の選択肢もあるでしょう。このような選択肢を並べ、組織として、自分たちはどのオフィス戦略を選ぶか、ということが重要になります。それによって、あるべき面積、ロケーション、席数、機能などは決まってきますし、全体のオフィスコストも変化します。

②1席あたりコスト(フル稼働時)

1席あたりコストは空間効率のパフォーマンスを測る指標であり、1席の重みを理解することもできます。フル稼働、すなわちオフィスにある執務可能な席が100%稼働した場合の席あたりコストは、空間設計の評価をする際に見ると良い数字です。

オフィス構築をプロダクト開発の目線で考えると、席あたりコストは席課金の赤字ラインとも言えます。
すなわち、その金額に見合うクオリティや付加価値がなければ、市場に存在するサービスオフィスとの競争に負けてしまいます。
プロダクト開発目線で自社オフィスを見直すと、自社オフィスの構築に新たな洞察が見つかりますよ。

②1席あたりコスト(実稼働時)

フル稼働時のコストは空間としてのパフォーマンスを理解できますが、どのようなオフィスも常に100%稼働しているということはあり得ません。
遅刻・早退、休暇、会議、外出、リモートワークなどで自席にいない、オフィスにいない、という人はどの企業にも一定数いるでしょう。

そのため、実際の出社率から席の実稼働数を知っておくことは、オフィスの最適化において非常に重要となります。また計画段階でも、席稼働率何%を狙うのか、ということを念頭に置いて、面積や席数を決定しましょう。

例えば、1000席のオフィスに1000人が在籍しているとして、
100%稼働時の1席あたりのコストが5万円だったとしましょう。
ただ、平均出社率が50%だった場合、
日々オフィスに滞在しているのは500人です。
その場合、当然ですが、
実稼働の1席あたりコストは5万円÷50%=10万円となります。

つまり、どんなに設計段階で空間効率の良いオフィスを作っても、実際に使われなければ、その空間は効率よい投資がされているとは言えません。
であれば、面積を絞って、賃料を減らし、構築費用に当てた方が、滞在している500人にとってより働きやすい環境を作ることもできますし、総コストも下げることができるでしょう。

リモートワークが進む時代だからこそ、実稼働率をきちんと把握することが、無駄のない投資につながっていきます。

KPIから積算するオフィス予算の構築

以上、①〜③の3つのKPIを紹介しましたが、オフィスコストを判断する際に、積み上げた結果による総コストだけでなく、KPIから掛け出される総コストも、ぜひ活用ください。

自分たちのオフィスの在り方を定め、従業員一人当たりX円のオフィスを作る、という目標値を立ててみてください。

目標予算 = 従業員数 x 従業員一人当たりコスト

という非常にシンプルな計算式で成立しますが、「市場のオフィスに対してどのようなポジショニングを取るか」という議論を成さねば、決められない数字でもあります。

目標予算達成のために必要な面積やロケーション、ビルグレード、席数を取捨選択する、というプロセスを取ることで、不動産や工事費等の市場相場を判断しながら、自社オリジナルのオフィス戦略を作っていくことができます。

コストとともにスペースプログラムもシミュレーションしましょう!

witでは、コストによる仮説構築に合わせて、スペースプログラムもシミュレーションします。

コストシミュレーションで、1000坪に1000席入れて効率良い空間を作るんだ〜!と意気込んでも、実際に空間に入らないのであれば、絵に描いた餅となります。

コストの仮説を作るとともに、実際にその面積には、どのくらいの席数、会議室数、その他要素が入るのか、スペースのプログラムも理解できると仮説に現実性が増しますよね。

スペースプログラムを作る際に、重要な点がいくつかあります。
例えば、動線をきちんと見込んでいること、休養室やサーバールームなど必須となるサポート機能を見込んでいること、執務席数だけでなく会議室数や打合せエリア、ラウンジエリアなどが適正量見込まれていること。
これらの数値は一般の総務の方々が理解するのは少し難しいこともあるでしょう。

そのため、オフィス家具メーカーや設計事務所にテストフィット図面を描いてもらい、実際にその要素が入るのか検証するようなプロセスを取られている企業もあるでしょう。
しかし、この方法では時間や費用がかかってしまいますし、複数パターンを用意するのも一苦労です。タイミング的にまだ移転や改修すら決まってないのに、ということもあるでしょう。

そのようなジレンマを解消するため、witではコストの仮説に即したスペースプログラムを提供しています。
これまでの空間分析をもとに、オフィスに必要な動線やサポート機能、会議室数などの適正量を平均化し、現実的なスペースプログラムを算出するシミュレーションを開発しました。
もちろんこのシミュレーターは、分析量が増えるごとに更新され、時代に即したオフィス要素とその量を算出できるようにしています。

またwitで提供されるスペースプログラムはあくまでも平均的な数字となるため、これを元に、自分たちはもっと打ち合わせエリアを増やしたいよね、とか、スタジオなどの特殊な設備も設けたいよね、という形でカスタマイズしてもらうことが大切だとも思っています。

反対に、平均的な会議室の量に比べて、自分たちのオフィスは会議室が少ない、多い、ということも理解でき、働き方の特徴や文化を考え直すきっかけにもなるでしょう。

企業における自社オフィスの構築において、抜けてしまいがちな視点が客観性です。自社のオフィスや働き方の文化についてはすごく良く理解されている一方で、他社のオフィス戦略に触れる機会は少なく、自分たちのオフィスがどのようなポジショニングにあるか理解されている企業は非常に少なく感じます。

であるからにして、外部コンサルタント(不動産や設計事務所、オフィスコンサル、家具メーカーなど)の助言任せとなるオフィスが多いことも事実です。

私たちTCPは人々の働く場所であるオフィスを大切に思うからこそ、各企業の事業戦略に合わせたオリジナルなオフィスが構築できるよう、客観的視点で自社オフィスを理解できるwitを開発しています。

まとめ

この記事では、オフィス改善の仮説構築に重要となるKPIをコスト目線でご紹介しました!

・オフィス改善を行う際には、分析に基づいた仮説構築が重要です!
・コストで押さえるべきKPIは「従業員一人当たりコスト」、「席当たりコスト(フル稼働)」、「席当たりコスト(実稼働)」の3つ。
・KPIから掛け合わせた目標予算には「戦略的意思」が宿ります。
・目標予算が絵に描いた餅とならないよう、スペースプログラムをシミュレーションしてみることも大切。
・仮説構築の際には、他社のオフィスや市場のサービスオフィスに対して、どのようなポジショニングを取るか、を考えてみましょう。

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TCPはワークプレイスストラテジーの知識をオープンにすることで、この業界・領域の向上と、より働きやすい未来の構築をビジョンに掲げています。
既に、様々な同業他社様のコンサルティングサービスにもwitを取り入れていただいています。

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ワークプレイス可視化レポート wit を大解剖!
第一回:ワークスタイル投資の考え方
第二回:進化するワークプレイスに追いつこう!
第三回:稼働率は、オフィスの体脂肪率?!
第四回:自社オフィスのコストパフォーマンスを評価することで、オフィスの目的と差別化が説明しやすくなる!
第五回:オフィスのロケーションは雇用も間接費も生産性もエンゲージメントも制する?!
第六回:他社と市場に負けないオフィスづくりには、3つのKPIを押さえ、仮説構築すること!
第七回:新たな投資を考える
第八回:データドリブンなファシリティマネジメントに向けて
ワークプレイスを軸に、様々な専門領域を持つクリエイターたちのシナジーによって、既成概念を超えたソリューションの提供を目指す。働き方や働く環境に関するご相談・お問い合わせはこちら:info@tcproject.co